腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
めぐるの接近
慎君が協力してくれると言ったあの日から数日経った。

私と慎君はこれと言って関わりが増えた訳じゃないけど、挨拶ぐらいはする仲になったと思う。

まぁ、私より向坂君の方が慎君と仲良くなったように見えるけど。




「なぁ雪子!"rain"マジでヤバいぜ!?15万の価値があるってもんだ!」


「ぐぬぬ……!!や、やりたいなぁ……」


「まぁお前なんかにこんな神ゲー貸せないけどな!バーカ!」



あれからと言うもの、佐原君は私が着いてこなかった事を結構根に持っているようで、こんな感じでからかいに来る事が多くなった。

これでもまだマシになった方で、あの日の翌日なんかは口も聞いてくれなかったからね。



「そろそろ許してくれたって良いじゃん!神ゲーの感想を語り合おうよ!?」


「今更遅いわ!この薄情者!語りたいなら自分で買え!」



くっ!正論を言ってくるとは…佐原君のくせに…

でも15万の大金をポンと出せる人間の方が珍しいと思うけどなぁ…


妙に刺々しい佐原君とあーでもないこーでもないとくだらない話をしながら、そういえば今日は雨だなぁ、嫌だなぁなんて考えていた。


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