腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
私と話す時どことなく淀んだ雰囲気があったけど、少し話したことで吹っ切れたのか少しずつ隼瀬君は饒舌になっていった。
こんなに美味しい菓子をつまみながら談笑する事なんて滅多にない。
さながらお茶会と言った所か。
「……あ、雨止んだかな?そろそろ帰らないと」
時計を見ると、もう6時を回ろうとしていた。
2時間近く話し込んでいたようだ。
「なんだ、もう帰るのか」
「うん、夕飯までに帰らないと怒られるし」
「……分かった。見送ってやる」
目を伏せて眉を下げる隼瀬君はどこか悲しげだ。
学校に来てないから同級生と話す機会もそんな無いだろうし、もしかしたら私との会話が楽しかったのかもしれない。
そう考えると可愛く見えてくる。