腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
「家はおかしいかも……で、でも、近付いた理由は、絶対立花に関連していると思うんだけどなぁ……」
「……私達、騙されてるのかも。本当は良いように使われて、最後は捨てられるのかもしれない」
「う、う〜ん……」
……正直、絶対違う!とは否定出来ない。
そもそも、始まりが脅しからスタートした交際だから誠実さの欠片もない。
それに、本人も"協力するなら付き合ってあげてもいい"と最初から言ってたじゃないか。
終わった後も付き合ってくれるとは限らない。
(なにも考えずにここまで来たけど、このままで本当に良いのかな)
立花を地獄に落とせたとして、その後は?
その前に、倉木さんにはどう説明するんだろう。復讐の為に利用してただけだって正直に言うつもりなんだろうか。
思考がぐるぐると回ってきた。
「……ごめんなさい、混乱するようなこと言って。どうしても不安になってしまったから」
「い、いや……不安な気持ちは分かるから」
「話してちょっとだけスッキリしたかも。抱え込むとストレスになるでしょ?だから、話せて良かった」
ほぼ一方的に話を聞かされただけだけど、倉木さんがスッキリしたなら、まぁ良かったのかな。
笑顔で私に微笑みかけてくれる倉木さんを見るに、多少私に心を開いたと言うのが感じ取れた。
複雑な心境ではあるものの、邪険に扱うのも違うと思い私も笑顔で返す。