腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
なんて言うか、向坂君の声を聞くと好きだなぁって思っちゃう私はやっぱり単純なのかな?



「き、聞きたい事があってちょっと……」


『うん、どうしたの?』


「……い、和泉さんとは、その……どんな感じなのかなーと……」


『あー……』


困ったような笑みを含んだ声色だ。



『順調だよ。ここだけの話、彼女から色んな証拠を貰ったりしてるんだ』


「えっ!証拠って、まさか生徒会の!?」


『そう、例えば久我がやったとされるイジメの証拠とかね。悪趣味だけど、久我はイジメを行ってる時の事を動画に撮っている事があるんだ』



わざわざ証拠となる動画を撮影するなんて、なんて愚かなんだろう。
現に、こうやって御影の彼女経由でバレているし。



「……うーん、和泉さんもよくそんな動画持ってたよね」


『久我とも浮気してるって話だからねぇ。そういうの見せてくれるんじゃない?』


「えぇ……和泉さん本当に男好きなんだなぁ」



倉木さんが毛嫌いする理由も分かるかもしれない。
しかし、向坂君だって他人事じゃない。付き合ってるという疑いを二人からかけられてるんだから。

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