腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
「……あ、そう言えばさっき助けに来たって言ってくれてたけど、なんで助けてくれたの?」


「違う、様子見に来ただけ……」


「あ、うん……ていうか、私の事も知ってる感じだったよね…?多分、私と朝霧君初対面だったと思うけど……」


「……初対面だけど、知ってる。アンタ、"雪平恵留"だよね?」



いきなりフルネームを当てられた事に少し当惑する。


「けいっ……向坂と、仲良くしてるの知ってるよ。この間、東校舎に二人で向かってたよね」


「……あ"っ、み、見られてたんだ……」



結構注意深く周りを見ていたのに、まさか朝霧君に見られてたとは。

私のフルネームを知ってるのも驚きだけど、なんで向坂君のことも知ってるんだろう。
結構有名人なのかな。



「どこで私の名前知ったの?それに、向坂君の事も……」


「……アンタの名前は、久我と立花が話してるの聞いたから……向坂、は……俺は元から知ってた」


「去年同じクラスだったとか?」


「違う……中学が同じだったから」



これは予想外だ。
向坂君と中学が同じ人って初めて見たかも。
確かにそれなら向坂君の事を知っていても不思議じゃない。
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