腹黒王子とめぐるの耽溺日誌


翌日の朝。

教室に朝一で登校し、佐原君が来た瞬間に頭を下げて必死に謝罪した。
こう言うのはさっさと謝らないと尾を引くと思ったからだ。

が、私の思っていた事も杞憂だったようで、佐原君はケロッとした顔をしながら「なに謝ってんの?」と心底不思議そうな顔をしていた。

また向坂君の言った通り、佐原君は昨日の些細な揉め事などとうに忘れているようだった。



となると、やる事は一つ。立花君の情報をどれだけ集められるかが鍵になってくる。



「……佐原君って、立花君と仲良かったよね?」


「あ?急になに?」


「い、いやさ!!私、生徒会とかちょっと興味あってね!?立花君って副会長だから、どんな感じなのかな〜って聞こうと思って!!ほら、佐原君と立花君仲良さそうだったから!!」



ヤバい、いきなり話したからもろ怪しまれている。

早口で勢いよく捲し立てると、怪訝そうな目で私を見つめながらも少しは納得したのか、考えるようにうーんと唸った。



「どんな感じと言われてもなぁ……頭は良いんじゃねーの?」


「え、それだけ……?」


「ああん!?知らねーよ京治の事なんか!!」



フルスロットルで怒り出した佐原君に冷や汗がとまらない。

私の言い方も良くないと思うけど、佐原君は0か100かみたいな怒り方をしないで欲しいよ…
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