腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
「あちゃー。タイミング悪かったなー、雪子」


そんな私とは裏腹に、ケロッとした顔でどうでも良さそうに呟く佐原君。

心底興味無さそうな反応をする佐原君だけど、私はそれ所じゃない。



(許せない……というか、信じられない……)


釣り合いが取れて無さすぎるとは思っていたけど、だからといって約束を破るのもどうかと思う。



「……佐原君」


「んあ?」


「佐原君には…….……あれって付き合ってるように見える?」


「いや、知らねー…クソほど興味ねえ……けど……まぁ、付き合ってると言われても不思議には思わねえんじゃねぇかな」



雷に打たれたような衝撃が身体中に走る。

恋愛に興味がない佐原君からしても二人は良い雰囲気に見えると言うのだ。

私と向坂君は学校では話すことだって無いのに。


恨みがましく二人を睨みつけながら、放課後の喫茶店で向坂君を問い詰める事を心に誓った。


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