腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
「本当にここで合ってるのかなぁ……」



住所の書いてあるプリントと実際の場所を見比べる。

私の目の前には大きな門と、その先に凄い豪邸が見えていた。

勘違いじゃなければここの筈だけど、隼瀬君はえらいお金持ちなのだろうか。


とりあえず、インターホンを押して確認をしてみるしかない。



「あ、すいませーん。同じクラスの雪平恵留という者なんですけど……隼瀬君のご自宅でお間違いないでしょうか?」



インターホンを鳴らして声を掛けてみるが、全く反応がない。



「あの……すいません〜、プリント届けに来たんですけど……」



再び声を掛けてみると、ピッと言う音がインターホンから聞こえてきた。


『…………倉木は?』



聞こえてきた声は、トーンが低めで少し不機嫌そうにも感じる声だった。

< 38 / 118 >

この作品をシェア

pagetop