腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
「初めまして」
「……あ、は、初めまして……」
「なに緊張してんだよお前」
「き、緊張って、いうか……そのっ、」
逆に佐原君はなんとも思わないのだろうか。
本能が、立花に関わってはいけないと言ってるような、そんな緊張感だ。
整った顔立ちが、能面のように貼り付けた笑顔で私を見つめていた。
冷や汗がダラダラと流れる感覚だけが私を支配すると、立花は佐原君に向き直りニッコリと不自然な程完璧な笑顔を見せた。
「それじゃあ、僕は生徒会の仕事があるから」
「おー」
「…………」
立花の後ろ姿を無言で見送ると、緊張感から解放されたからかドッと汗が噴き出してきた。
「うわっ!なに汗だくになってんだお前!」
「……いや、き、緊張から……ちょっと…」
「あんなに知りたがってた癖になんだそりゃ」
呆れたような顔でいつもの調子で言う佐原君にもはや安心感すら覚える。
軽いと言うか、素直というか、無神経というか。
そんな所が佐原君の良い所であり、悪い所なんだろうな。
(なにはともあれ……向坂君に報告しないと)
立花と接触出来る機会なんて滅多にないだろう。
それに、一応隼瀬君の事も伝えておきたいし。
「……あ、は、初めまして……」
「なに緊張してんだよお前」
「き、緊張って、いうか……そのっ、」
逆に佐原君はなんとも思わないのだろうか。
本能が、立花に関わってはいけないと言ってるような、そんな緊張感だ。
整った顔立ちが、能面のように貼り付けた笑顔で私を見つめていた。
冷や汗がダラダラと流れる感覚だけが私を支配すると、立花は佐原君に向き直りニッコリと不自然な程完璧な笑顔を見せた。
「それじゃあ、僕は生徒会の仕事があるから」
「おー」
「…………」
立花の後ろ姿を無言で見送ると、緊張感から解放されたからかドッと汗が噴き出してきた。
「うわっ!なに汗だくになってんだお前!」
「……いや、き、緊張から……ちょっと…」
「あんなに知りたがってた癖になんだそりゃ」
呆れたような顔でいつもの調子で言う佐原君にもはや安心感すら覚える。
軽いと言うか、素直というか、無神経というか。
そんな所が佐原君の良い所であり、悪い所なんだろうな。
(なにはともあれ……向坂君に報告しないと)
立花と接触出来る機会なんて滅多にないだろう。
それに、一応隼瀬君の事も伝えておきたいし。