腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
『……生徒会は、主に生徒会長の高野、会計の真島、書記の清水と広報の御影、庶務の久我……そして、副会長の立花で構成されてる。それは知っているね?』


『全員立花に縁のある人間だが、向坂が言う''イジメや犯罪行為"をやらせていたのは久我だ』


『久我は不良グループのボスで、立花にとって都合の悪い人間は久我が始末をしているんだ』


『御影は、生徒情報を集めるのが趣味で、広報の仕事は表向きに生徒会がクリーンだとアピールしている』


『真島と高野の父親は、立花の父親が経営してる会社の子会社で働いているらしい。要するに、下手な事は言えないみたいだ』


『清水は……立花に心酔しているから、何をしたって清水からは何も聞き出せないと思う。立花の悪事の隠蔽をしているのも清水だ』




谷口先生の話をまとめるとこうだ。


・犯罪行為を命令しているのは立花だが、実行しているのは庶務の久我、もしくは久我の仲間。

・生徒会長の高野と会計の真島は、父親の関係上立花に逆らえない。

・広報の御影は情報収集が趣味としているので注意

・書記の清水は立花の側近的ポジション




(お、思ったよりキツそう……)


いつもの喫茶店で、ノートにメモをしていくと生徒会という組織の恐ろしさが身に染みて分かってきた。

全身に鳥肌を立たせている私とは違い、向坂君はニコニコとしながら私のノートを覗き込んでいる。



「雪平さん、どう?誰が穴だと思う?」


「穴……?穴かぁ……」


「私は真島先輩だと思う。彼はとても真面目だって有名だから」


「向坂君は倉木さんに聞いてないよ!私に聞いてるから!!」



わなわなと震えながら倉木さんを睨みつける。

そう、私達の憩いの喫茶店になぜか倉木さんも着いてきているのだ。
意味がわからないし、なんで向坂君も着いてきて良いなんて言ったんだろう。

私の反応を無視してツーンとした態度を取るなんて、倉木さんは意地悪な子だ。


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