腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
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"俺が話しやすいって、ちょっとお前は変わった奴だな。
でも、俺に近づきすぎない方がいい。
お前のためだ。
俺は、一人で居ないといけないんだ。
だから、交換日記も、もう終わりにしないと。
俺に構ってくれてありがとう。良い暇つぶしになった。"

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怒るとか怒らないとかそういう次元じゃない。


(なんでいきなりそうなるの……?)


何度読み返してもよく分からない。
私を案じたかと思えば、いきなりシャットアウトしてくるという、よく分からない情緒だ。

そもそも、近づきすぎるとどうなるかって言う肝心な情報が抜けているじゃないか。


(どうすればいいんだろう。向坂君に相談してみようか……)


そこまで考えて、いやいや……と冷静になる。

流石にこの文章を第三者に見せるのは酷かもしれない。
相手は当然だけど私にしか見せないつもりで書いてるんだから、それを他の人に見せたとしたら裏切りに等しい行為だろう。

バレなきゃ良いと思う気持ちもある。
実際に今まで向坂君にノートの中身を見せた事はあったんだから。


でも、もうちょっとで彼の心が覗ける気がするんだ。


だから、もう少し。あと少しだけ自分で書いてみようと思った。

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