腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
「はぁ?京治が?」


「うん、なんか隼瀬君に恨み?とかあったのかなーって……」



早朝。

私は、真っ先に佐原君の席に行き、胸の内に抱えていた疑問をなげかけた。

いきなりそんな疑問を投げかけてきた私に、佐原君は片眉を上げて怪訝そうな表情をする。



「知らんわ。つーか興味ねー」


「う、恨みとまではいかなくても、二人の間になんかあったのかなぁって思いまして……」


「隼瀬か?変な事言ってんの」



ギクリと肩を揺らす。

正確に言うと隼瀬君は立花に対して何も言ってない。ただ、私が勝手に隼瀬君の書いたノートを見てそう思っているだけだ。



「めんどくせーからあいつと関わんのやめとけよ。引きこもりが何言ってんのか知らねーけどさ」


「……じゃあ、立花君じゃないなら、他に誰か隼瀬君に恨みを持ってそうな人は居なかった?」


「しつけーぞ!隼瀬隼瀬隼瀬ってうるせぇんだよ!!」



佐原君は、ガンッと思い切り机を蹴り飛ばし私に睨みを効かせた。

私はと言うと、そんな佐原君にビビり散らしてしまい「すんません!!」とペコペコと謝っていた。


(そ、そんなに怒ることないのに!)


理不尽に思いつつも、ここで謝っとかなきゃ後が怖い。
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