腹黒王子とめぐるの耽溺日誌
めぐるの忠告

「なんでまた来てるんだ?」


「うわっ!!び、びっくりしたぁ……」



隼瀬君の家のインターフォンを鳴らすと、鉄の扉からなんと、隼瀬君本人が出てきた。

前に見た時とは違い、かなりラフな服装である所を見るにこれが普段着なのだろう。
もっとも、服は良い素材を使っているのが目に見えて分かるのでそこそこな値段の服なのだろうが。

ジロリと睨みつけるように私を見る隼瀬君に思わず肩が跳ねると、隼瀬君は視線をずらし苦虫を噛み潰したような顔をした。



「ノートに書いたはずだ。俺と関わるとろくな事にならないと……なのに、なんでまた来ているんだ」


「わ、私だって書いたよ。まだやり取りを続けてたいって。あと、対面で話せるなら交換日記やらなくて済むじゃん。返事待つ時間退屈だから、今度から対面で話そうよ」


「…………」



信じられないようなものを見る目で絶句している隼瀬君。

今でこそ多少は慣れてきたが、いちいちノートを届けて別日に回収に来てって流れが結構大変だ。
交流するのを目的としているから、そもそも話せるなら普通に話したい。

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