俺の隣に居る君は…
「あのさ、ときくん…の、代わりじゃダメかな?」

「え…?」



我ながら最低だと思う。

さのちゃんが断りづらくするなんて。

でも、初恋の彼女を簡単に手放せるほど、俺は優しくなんてない。




「でも私…私なんかで、いいんですか?」

「さのちゃんがいい。ときくんから告白されれば、ときくんのとこ、いっていいから」

「…」

「ダメかな?」


「お願いします…」

「喜んで」





ある冬の日、俺は小さな兎を自分の手中に閉じ込めた。
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