あの日見た、君の笑顔を

帰り道

放課後、私は俊也君と帰る約束をしていたので、挨拶が終わるとすぐに、靴箱へ向かった。
靴箱へ行くと、すでに俊也くんは来ていた。
「あ、桜井さん。」
「ごめんね、遅くなって。待っちゃったかな。」
「ううん、僕も今来たところだよ。さあ、帰ろう。」
そう言うと、俊也くんは私の手のひらに自分の手をのせ、握った。
え、待って待って。
今、手、つないでるよね・・・?!
いくらなんでも、早すぎない?
それか、私が時代遅れだけなのかどうかは分からないけど、もし誰かに見られていたら・・・!
もう我慢が出来なくて、素直に言った。
「あ、あの・・・手が・・・。」
「うん?あ、ご、ごめんっ!つい無意識にしてしまって。ごめんね、本当に。」
そして俊也くんは手をパッと手を離した。
ふ、ふう。よかった。
「・・・。」
「・・・。」
え、待って。
どうしよう、話せない!
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
余命約一年の君は
koto/著

総文字数/1,592

青春・友情3ページ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop