こじらせ男子の橘くんはワケありでした。


「新しい恋…。」


雪ちゃんの言葉で、一瞬あの時の人を

思い出した。


横断歩道で助けてくれた、名前も知らない人。


「お?もしや気になる人がいるのかな?」


「い、いないいない!いないよ!」


─なぜ動揺してる私。


「必死すぎ!とりま今週の金曜日、夜空けといて!何人かで飲みに行こう!」


「う、うん。わかった!」


雪ちゃんは明るくて社交的な人だ。

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