こじらせ男子の橘くんはワケありでした。
圭吾くんの姿が見えなくなり、帰ろうとした
その時─。
「また泣いてるんすか。」
どこかで聞いたことのある声がした。
裏門の横から出てきたのは、
圭吾くんに振られた日に
私を助けてくれた人だった。
「うわっなんで!あの時の!…高校生だったんだね。」
制服を着ると雰囲気が変わる。
あの時はカジュアルなパーカーとジーパンで
てっきり同い年か年上かと思うくらい
大人っぽい。