こじらせ男子の橘くんはワケありでした。


長身で綺麗な顔立ち。


長い髪を後ろでまとめているのが

妙に色っぽい。


「うぅぇ。気持ち悪い。」


─完全に飲みすぎた。


「水飲んで外いく?空気吸ったらマシになるかも。」


「あ、はい。すみません。」


完全に出来上がっている雪ちゃん達に

一言告げて、店の外へ出た。


まだ少し冷たい春の空気が肌を撫でる。


胸いっぱいにその空気を吸い込むと

少しだけ酔いが醒めた。

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