Ring a bell〜冷然専務の裏の顔は独占欲強めな極甘系〜
 高臣は片手で部屋の鍵を閉めてから、貪るようなキスを繰り返す。彼の舌を受け入れてしまえばい、あとは熱く絡め合うだけだった。

 力が抜けそうになって高臣の首に手を回すと、彼は杏奈の太腿の裏に手を回して抱えると、自分の足の上に座らせる。

 しかしキスは止まず、彼の指が服の上から胸の頂を摘んだり転がしたり、しまいには服の上から噛んだのだ。その瞬間杏奈の体はビクッと震える。

 どうしよう……服の上からなのに、まるでそれを感じさせない指使いに、杏奈の腰が砕けそうになった。

「どうしたんだい? もう降参?」

 反論したいのに、高臣に唇を解放してもらえず、頭はぼんやりと夢見心地になっていく。

 高臣の指は服の上をなぞりながら、下へ下へと移動していく。スカート越しに杏奈の敏感な部分に到達した指が何度も何度も擦るものだから、もどかしさと気持ち良さで体が震え始める。

「杏奈……君をずっと見ていた……。保健室でお喋りに花を咲かせる杏奈に、一体何回心の中でツッコミを入れたと思う? 俺も同じなんだって話に入りたくなったと思う? 数えきれないよ。その度に吉村を殺したくなったけど、俺が住むのは内部生側、外部生側との壁を壊すことは出来なかった……」

 それはあの学園に存在する独特の空気感。彼一人の力ではどうにもならなかったに違いない。

 指がスカート捲り上げ、今度はショーツ越しに動き始める。直接触られているわけじゃないのに、今にも果ててしまいそうなほどの快楽の波に飲み込まれていく。
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