Ring a bell〜冷然専務の裏の顔は独占欲強めな極甘系〜
 高臣は杏奈を抱き上げるとベッドに急ぐ。柔らかい布団の上に寝かせられ、彼を直視するのが恥ずかしくなった杏奈は顔を背けようとした。しかしキスをされ、正面に引き戻される。

「ちゃんと俺を見て」

 あぁ、そうよ。これからはお互いを真っ直ぐに見つめよう。高臣の瞳に捕らわれ、杏奈は幸せな気分に浸る。

「わかってるね? 杏奈が俺を受け入れた、それは付き合うということだよ。というかもう逃さないけどね」
「もちろんわかってる……けど、あまりこういうのは慣れていないからわからなくて……」
「君はそのままでいいんだ。俺を求めさえしてくれれば、何も変わる必要はないよ」

 ただお喋りをしていたつもりなのに、杏奈の服は一枚ずつ脱がされ、最後の砦であるショーツとブラジャーまでも取り去られてしまう。

 急に裸にされてしまい体を隠そうとするが、高臣は杏奈の足を広げて自分の体を滑り込ませた。

「言っただろう? 逃さないって」
「それってもう既に始まっていたの⁈」

 不敵な笑みを浮かべ、舌舐めずりをすると、杏奈の首筋に吸い付くように唇を押し当てる。

 またキスマークを付けられたのがわかって頬を膨らませたが、胸の頂を指で摘ままれそれどころではなくなってしまった。

「当たり前じゃないか。恋人になって初めての夜だからね。徹底的に愛し尽くすから覚悟してくれよ」

 高臣も自分も自分が着ていた服を脱ぎながら、床に投げ捨てる。それから指で摘んでいた部分を口に含み、じっくりと舌で舐る。

 口から甘い声が漏れるたびに、高臣の口からもくるしそうな声が溢れていく。

「キレイだよ……早く杏奈の中に入りたい……」

 そう言いながらも、高臣の指は愛撫を止めようとはしない。足の間に指を滑り込ませながら、深いキスをする。

 私が久しぶりだって言ったのを覚えてくれているのかしら--中からではなく、まずは外からの刺激に体は波打つように動き続け、絶頂を迎えた瞬間大きく震えた。
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