Ring a bell〜冷然専務の裏の顔は独占欲強めな極甘系〜
「例えば『有機堆肥を使って育てた○○農園の和栗を使用したモンブラン』とか書かれると、ちょっと興味が湧きません?」
「なるほど。ちょっと購買意欲が掻き立てられるかも」
「それにこことか……ほらっ。若い農家さんなんですけど、会社を脱サラして栗農園を始めたらしくて、糖度の高さが売りなんだそうですよ。しかもイケメンときた! 彼の農園がうちのすぐそばにあったら、今すぐにでもアピールしに行っちゃうかも〜」
再びキラキラモードになった鈴香を微笑ましく見つめながら、どれほどのイケメンなのかと杏奈はホームページに映る男性に目を向けた--その瞬間、杏奈の顔が凍り付いた。
「先輩? どうしたんですか?」
「いや……知ってる人だったからびっくりしただけ……」
「えっ、佐久間陽平さん、ご存知なんですか⁈」
「ご存知っていうか……」
杏奈が口籠ると、鈴香の瞳がキランと光った。
「わかった。元カレだ」
「うっ、鈴香ちゃん、鋭い」
「そりゃ、女が口籠る相手と言ったら、嫌な思いをした恋愛関係と決まってますから」
「それってちょっと偏見じゃ……」
「で、どんな別れ方だったんですか?」
「……徐々に連絡が来なくなって、ある日突然メールで『別れよう』みたいな?」
「うわっ、自然消滅狙ってた系ですか? イケメンなのに、中身はクズじゃないですか」
「すごい悪口なのに、気分がスッキリするのは何故かしら……」
「それは先輩が人に見せないだけで、心の底では傷ついていたからですよ。そんな女心がわからない男は別れて正解です」
「うぅっ、ありがとう、鈴香ちゃん!」
「いえいえ! じゃあ別の農家を……」
鈴香がページを閉じようとした時だった。
「おっ、それは佐久間農園じゃないか」
と、背後から声を掛けられる。
振り返るとそこにはパソコンを覗き込む課長の姿があった。
「なるほど。ちょっと購買意欲が掻き立てられるかも」
「それにこことか……ほらっ。若い農家さんなんですけど、会社を脱サラして栗農園を始めたらしくて、糖度の高さが売りなんだそうですよ。しかもイケメンときた! 彼の農園がうちのすぐそばにあったら、今すぐにでもアピールしに行っちゃうかも〜」
再びキラキラモードになった鈴香を微笑ましく見つめながら、どれほどのイケメンなのかと杏奈はホームページに映る男性に目を向けた--その瞬間、杏奈の顔が凍り付いた。
「先輩? どうしたんですか?」
「いや……知ってる人だったからびっくりしただけ……」
「えっ、佐久間陽平さん、ご存知なんですか⁈」
「ご存知っていうか……」
杏奈が口籠ると、鈴香の瞳がキランと光った。
「わかった。元カレだ」
「うっ、鈴香ちゃん、鋭い」
「そりゃ、女が口籠る相手と言ったら、嫌な思いをした恋愛関係と決まってますから」
「それってちょっと偏見じゃ……」
「で、どんな別れ方だったんですか?」
「……徐々に連絡が来なくなって、ある日突然メールで『別れよう』みたいな?」
「うわっ、自然消滅狙ってた系ですか? イケメンなのに、中身はクズじゃないですか」
「すごい悪口なのに、気分がスッキリするのは何故かしら……」
「それは先輩が人に見せないだけで、心の底では傷ついていたからですよ。そんな女心がわからない男は別れて正解です」
「うぅっ、ありがとう、鈴香ちゃん!」
「いえいえ! じゃあ別の農家を……」
鈴香がページを閉じようとした時だった。
「おっ、それは佐久間農園じゃないか」
と、背後から声を掛けられる。
振り返るとそこにはパソコンを覗き込む課長の姿があった。