Ring a bell〜冷然専務の裏の顔は独占欲強めな極甘系〜
* * * *
車はベリが丘の駅を過ぎ、ノースエリアへ向かって進んでいく。しばらく行くと大きな門が見え、高臣は車を停車させた。
すると門の横にある守衛室から男性が一人出て来て、高臣に向かってお辞儀をすると、にこやかな笑顔を向けた。
「由利様、お帰りなさいませ。今門を開けます」
「あぁ、ありがとう」
門がゆっくりと開き、高臣はアクセルを踏んで中へと入って行く。守衛の男性は車がいなくなるまで門のそばに立って見守っていた。
これが有名な守衛の立つ門なのね--管理人がいるオートロックのマンションに住んではいるものの、やはり頑丈な門と守衛を見てしまうと、セキュリティの高さの違いを実感してついため息が出てしまった。
その時、一軒の家の前で車が止まる。高臣は胸ポケットからスマートキーのようなものを取り出し、家に向かって押した途端、ガレージが開いた。ガレージ内の明かりも灯され、高臣はバックで車を停めた。
一連の流れに驚いていると、
「さぁ、着いたよ」
と高臣がドアを開けて待っていてくれたので、杏奈は荷物を持って外に出た。
ガレージは車が二台停められるほどのスペースがあったが、今はこの白いセダン一台だけのようだ。
「こっちだよ」
呼ばれた方向にはドアがあり、高臣が指先をかざすだけでドアが開いた。
「すごい……今ってハイテクなのね」
「確かに便利になったと思うよ。さぁ、中に入って」
「お、お邪魔します……」
高臣に促されてドアの中へと入った杏奈は、思わず感嘆の声をあげた。そこは玄関と繋がっていて、グレーを基調とした落ち着いた雰囲気が印象的だった。
既にスリッパが二足置かれていて、杏奈の到着を待っていたようにも見える。
廊下を歩いて行くと、正面にはガラス窓のはめ込まれたドアがあった。その先へ一歩足を踏み入れた瞬間、杏奈は瞳をキラキラと輝かせた。
広いリビングには大きなテレビと、ゆったりくつろげそうなソファが置かれている。こんな大きな画面で映画やドラマを見たら、きっと一日動けなくなってしまうだろう。
そして鼻を掠めるいい香りの正体は、ダイニングのテーブルに並べられた料理の数々だった。レストランの料理に負けないほどの料理が並び、杏奈のお腹はとうとう大きな悲鳴をあげた。
「杏奈の胃袋は本当に正直だな」
そう言いながら高臣はクスクス笑う。そして杏奈の手を引いて椅子に座らせると、自分はキッチンの方へ行って、シャンパンを手に戻って来る。
「何から何まで揃ってるのねぇ……」
「まぁね。大切な恋人をもてなしたいからね」
杏奈は頬を染め、照れたように俯いた。最近は高臣の言葉も素直に受け入れられるようになってきた。
高臣からシャンパンのグラスを受け取ると、二人はグラスを合わせて乾杯をする。
「今日は来てくれてありがとう」
「こちらこそ、お招きありがとう」
二人は微笑み合い、シャンパンを飲み干した。
車はベリが丘の駅を過ぎ、ノースエリアへ向かって進んでいく。しばらく行くと大きな門が見え、高臣は車を停車させた。
すると門の横にある守衛室から男性が一人出て来て、高臣に向かってお辞儀をすると、にこやかな笑顔を向けた。
「由利様、お帰りなさいませ。今門を開けます」
「あぁ、ありがとう」
門がゆっくりと開き、高臣はアクセルを踏んで中へと入って行く。守衛の男性は車がいなくなるまで門のそばに立って見守っていた。
これが有名な守衛の立つ門なのね--管理人がいるオートロックのマンションに住んではいるものの、やはり頑丈な門と守衛を見てしまうと、セキュリティの高さの違いを実感してついため息が出てしまった。
その時、一軒の家の前で車が止まる。高臣は胸ポケットからスマートキーのようなものを取り出し、家に向かって押した途端、ガレージが開いた。ガレージ内の明かりも灯され、高臣はバックで車を停めた。
一連の流れに驚いていると、
「さぁ、着いたよ」
と高臣がドアを開けて待っていてくれたので、杏奈は荷物を持って外に出た。
ガレージは車が二台停められるほどのスペースがあったが、今はこの白いセダン一台だけのようだ。
「こっちだよ」
呼ばれた方向にはドアがあり、高臣が指先をかざすだけでドアが開いた。
「すごい……今ってハイテクなのね」
「確かに便利になったと思うよ。さぁ、中に入って」
「お、お邪魔します……」
高臣に促されてドアの中へと入った杏奈は、思わず感嘆の声をあげた。そこは玄関と繋がっていて、グレーを基調とした落ち着いた雰囲気が印象的だった。
既にスリッパが二足置かれていて、杏奈の到着を待っていたようにも見える。
廊下を歩いて行くと、正面にはガラス窓のはめ込まれたドアがあった。その先へ一歩足を踏み入れた瞬間、杏奈は瞳をキラキラと輝かせた。
広いリビングには大きなテレビと、ゆったりくつろげそうなソファが置かれている。こんな大きな画面で映画やドラマを見たら、きっと一日動けなくなってしまうだろう。
そして鼻を掠めるいい香りの正体は、ダイニングのテーブルに並べられた料理の数々だった。レストランの料理に負けないほどの料理が並び、杏奈のお腹はとうとう大きな悲鳴をあげた。
「杏奈の胃袋は本当に正直だな」
そう言いながら高臣はクスクス笑う。そして杏奈の手を引いて椅子に座らせると、自分はキッチンの方へ行って、シャンパンを手に戻って来る。
「何から何まで揃ってるのねぇ……」
「まぁね。大切な恋人をもてなしたいからね」
杏奈は頬を染め、照れたように俯いた。最近は高臣の言葉も素直に受け入れられるようになってきた。
高臣からシャンパンのグラスを受け取ると、二人はグラスを合わせて乾杯をする。
「今日は来てくれてありがとう」
「こちらこそ、お招きありがとう」
二人は微笑み合い、シャンパンを飲み干した。