心臓外科医になって帰ってきた幼馴染の甘くて熱い包囲網
紗知子は、ぎゅっとつぶった目から、涙が滲んでしまうのを抑えられなかった。

───クローバー畑にぽつんと座っていた頃から、私はあなたの愛に包まれていたんだね。

あの時から今に至るまで、時も場所も越え、強力に張られた駿介の包囲網。

溺愛のさらにその先の、果てしない愛に、私は包まれている。

これを執着と呼ぶのなら、私も負けないくらい、今駿介に深く、甘く、執着している───


紗知子は駿介の胸に頬をあてた。

鼓動が速い。駿介を見上げると、その顔は微笑んでいた。


「大丈夫。紗知子のせいでドキドキしてるだけだから」


唇が近づく。

紗知子の胸もまた、張り裂けそうに早鐘を打つ。




大好きな、駿介のせいで。



おわり



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