心臓外科医になって帰ってきた幼馴染の甘くて熱い包囲網
その瞬間から駿介は、紗知子のかかりつけ医として、なくてはならない存在になったのだった。
あれから約一年。
駿介は今もこうして紗知子の持病のケアを続けている。
診察だけではない。時間があれば紗知子の家をたずねて体調を確認してくれる。時には一緒に食事をすることもある。
紗知子は兄のように慕っていた幼馴染が見守ってくれていることで、以前よりも不安のない毎日を送ることができている。
「…それでね、動画の登録者数も先月から倍増したの。だから春に向けて庭のお手入れして、その動画も投稿しなくちゃ、って思ってて…」
「…はい、心音は特に問題なし」
駿介は聴診器を外し、椅子のキャスターを滑らせてデスクに向き直った。
「動画の話はよく分かった。まず、服のすそ下ろそうか。目のやり場に困る」
ニットの裾をめくり上げたまま、いつのまにかおしゃべりに夢中になっていた紗知子に、駿介は苦笑した。
あれから約一年。
駿介は今もこうして紗知子の持病のケアを続けている。
診察だけではない。時間があれば紗知子の家をたずねて体調を確認してくれる。時には一緒に食事をすることもある。
紗知子は兄のように慕っていた幼馴染が見守ってくれていることで、以前よりも不安のない毎日を送ることができている。
「…それでね、動画の登録者数も先月から倍増したの。だから春に向けて庭のお手入れして、その動画も投稿しなくちゃ、って思ってて…」
「…はい、心音は特に問題なし」
駿介は聴診器を外し、椅子のキャスターを滑らせてデスクに向き直った。
「動画の話はよく分かった。まず、服のすそ下ろそうか。目のやり場に困る」
ニットの裾をめくり上げたまま、いつのまにかおしゃべりに夢中になっていた紗知子に、駿介は苦笑した。