ただの道具屋の娘ですが、世界を救った勇者様と同居生活を始めます。~予知夢のお告げにより、勇者様から溺愛されています~
「ピノひさしぶり! 元気だった?」
ラウレルは、洞窟の奥の横穴に住んでいる小人を訪ねた。ピノと呼ばれた彼は、ちょうど指輪の仕上げをしている最中だった。
「ラウレル! また来てくれたんだね!」
嬉しそうにニコニコと話すピノは、どう見ても五・六歳位の男の子としか思えない。しかし彼が、クエバの工房のリーダーであるとラウレルは言う。ということは、きっともう何十年も生きている人生の大先輩だ。
「ピノ。この石をどう思う?」
ラウレルは、ピノにリヴェーラの石を差し出した。
「リヴェーラの石じゃないか。とても綺麗だね!」
「だろう?この人は、グリシナ村の道具屋さんなんだ。名産品リヴェーラの石を、指輪にしてみたいと思ってるんだ」
ラウレルは、ピノにビオレッタを紹介した。紹介されたビオレッタは、ピノに目線をあわせてお辞儀をする。
「ピノさん初めまして、私はビオレッタと申します。今日はこの石を指輪にしていただきたくて、お願いにまいりました」
「いいよ!」
「えっ」
初対面であるビオレッタからの依頼に、ピノは快く即答した。
「もちろん指輪作ってあげる! 加工賃は払ってもらうけど……あと、僕たちと友達になってくれるのなら!」
それなりに加工費用がかかるのはビオレッタも覚悟していた。ただ、いきなり友達になど……いいのだろうか。
「い、良いんですか? 私、ただの道具屋なんだけど……友達になってもらえるの?」
「とうぜんだよ! ラウレルが連れてきた人だもの」
「俺もピノとは友達なんです」
ラウレルによると、以前このクエバの工房は盗賊に襲われたことがあったらしい。
それを聞き付けた勇者一行が盗賊達を退治してからというもの、ラウレルはピノ達と友達になったという。
「よろしくね、ビオレッタ!」
ピノは人懐っこい笑顔でビオレッタと握手を交わした。
ピノの小さな手には、ゴツゴツとしたマメが出来ている。アンバランスにも見える、職人の手だ。その頼もしさに、ビオレッタは勇気づけられた。
ラウレルは、洞窟の奥の横穴に住んでいる小人を訪ねた。ピノと呼ばれた彼は、ちょうど指輪の仕上げをしている最中だった。
「ラウレル! また来てくれたんだね!」
嬉しそうにニコニコと話すピノは、どう見ても五・六歳位の男の子としか思えない。しかし彼が、クエバの工房のリーダーであるとラウレルは言う。ということは、きっともう何十年も生きている人生の大先輩だ。
「ピノ。この石をどう思う?」
ラウレルは、ピノにリヴェーラの石を差し出した。
「リヴェーラの石じゃないか。とても綺麗だね!」
「だろう?この人は、グリシナ村の道具屋さんなんだ。名産品リヴェーラの石を、指輪にしてみたいと思ってるんだ」
ラウレルは、ピノにビオレッタを紹介した。紹介されたビオレッタは、ピノに目線をあわせてお辞儀をする。
「ピノさん初めまして、私はビオレッタと申します。今日はこの石を指輪にしていただきたくて、お願いにまいりました」
「いいよ!」
「えっ」
初対面であるビオレッタからの依頼に、ピノは快く即答した。
「もちろん指輪作ってあげる! 加工賃は払ってもらうけど……あと、僕たちと友達になってくれるのなら!」
それなりに加工費用がかかるのはビオレッタも覚悟していた。ただ、いきなり友達になど……いいのだろうか。
「い、良いんですか? 私、ただの道具屋なんだけど……友達になってもらえるの?」
「とうぜんだよ! ラウレルが連れてきた人だもの」
「俺もピノとは友達なんです」
ラウレルによると、以前このクエバの工房は盗賊に襲われたことがあったらしい。
それを聞き付けた勇者一行が盗賊達を退治してからというもの、ラウレルはピノ達と友達になったという。
「よろしくね、ビオレッタ!」
ピノは人懐っこい笑顔でビオレッタと握手を交わした。
ピノの小さな手には、ゴツゴツとしたマメが出来ている。アンバランスにも見える、職人の手だ。その頼もしさに、ビオレッタは勇気づけられた。