ただの道具屋の娘ですが、世界を救った勇者様と同居生活を始めます。~予知夢のお告げにより、勇者様から溺愛されています~
(私ったら……ひどいわ)
『親しげな女性』に対し興味無さげなラウレルを見て、安心してしまった自分がいた。彼とその妖艶な女性が会えなければいいのにとさえ思っている。
いつから、自分はこんなにも意地汚い考え方をするようになってしまったのだろう。
醜い嫉妬だ。
いつの間に、こんなにも――
彼が裏口へと消えた途端、店の入り口からガタリと音が聞こえた。
「うそ……一緒に住んでるの……?」
ビオレッタが振り向くと、そこには妖艶過ぎる赤髪美女が立っていた。
一応服を纏ってはいるが、豊満なスタイルが隠しきれていない。大きく開いた胸元に、きわどいスリットの入ったタイトなドレス。敢えて、その肉体を隠そうとしていないのか……免疫の無いビオレッタは、思わず顔を赤らめた。
「ビオレッタちゃん、もうラウレルと結婚したの!? ほんとあいつ信じらんない……」
赤髪美女は、この村では見たこともないような細いヒール靴でカツカツと歩み寄ると、ビオレッタに詰め寄った。
その勢いに圧倒されてしまう。なぜ、こちらの名前も求婚されていることも知っているのだろう?
「いえ、結婚なんてしてません。それよりも、なぜその事をご存知なのですか」
「でもここで一緒に暮らしてるんでしょ~? あいつ何でも早すぎるのよ!」
話はよく見えないけれど、赤髪美女はラウレルのことを「あいつ」などと呼ぶ。随分親しい間柄のようだ。やはり、胸がチクチクと痛む。
目の前のこの人をまじまじと見た。
凹凸のある女性的な身体、バッチリと化粧も施された魅惑的な顔、手入れの行き届いた美しい指……
ビオレッタは思わず、薬草の臭いが染み付いた自分の指先を後ろに隠した。
『親しげな女性』に対し興味無さげなラウレルを見て、安心してしまった自分がいた。彼とその妖艶な女性が会えなければいいのにとさえ思っている。
いつから、自分はこんなにも意地汚い考え方をするようになってしまったのだろう。
醜い嫉妬だ。
いつの間に、こんなにも――
彼が裏口へと消えた途端、店の入り口からガタリと音が聞こえた。
「うそ……一緒に住んでるの……?」
ビオレッタが振り向くと、そこには妖艶過ぎる赤髪美女が立っていた。
一応服を纏ってはいるが、豊満なスタイルが隠しきれていない。大きく開いた胸元に、きわどいスリットの入ったタイトなドレス。敢えて、その肉体を隠そうとしていないのか……免疫の無いビオレッタは、思わず顔を赤らめた。
「ビオレッタちゃん、もうラウレルと結婚したの!? ほんとあいつ信じらんない……」
赤髪美女は、この村では見たこともないような細いヒール靴でカツカツと歩み寄ると、ビオレッタに詰め寄った。
その勢いに圧倒されてしまう。なぜ、こちらの名前も求婚されていることも知っているのだろう?
「いえ、結婚なんてしてません。それよりも、なぜその事をご存知なのですか」
「でもここで一緒に暮らしてるんでしょ~? あいつ何でも早すぎるのよ!」
話はよく見えないけれど、赤髪美女はラウレルのことを「あいつ」などと呼ぶ。随分親しい間柄のようだ。やはり、胸がチクチクと痛む。
目の前のこの人をまじまじと見た。
凹凸のある女性的な身体、バッチリと化粧も施された魅惑的な顔、手入れの行き届いた美しい指……
ビオレッタは思わず、薬草の臭いが染み付いた自分の指先を後ろに隠した。