ただの道具屋の娘ですが、世界を救った勇者様と同居生活を始めます。~予知夢のお告げにより、勇者様から溺愛されています~
そして勇者ラウレル一行は、驚異的な速さで魔王討伐を成し遂げたのだった。
その足でグリシナ村の道具屋まで直行しようとしたラウレルは、カメリアに止められた。彼女は「一応、先にオルテンシア王への報告をしないと」などと言う。
「報告なんて必要か?」
王など、ただ玉座から『魔王を倒せ」とラウレルへ命じただけの男だ。報告などする必要性も感じない。ラウレルは散々ごねた。けれどカメリアは冷静だった。
「私は魔王討伐の報酬が欲しいの。報告しなきゃ貰えるものも貰えないでしょ?」
「俺は早くビオレッタさんに会いたい」
「それは報告が終わってからでも良いじゃないの。お金は結婚生活にも必要よ。さあ行くわよ」
(確かに……)
一理ある。結婚したら金は役に立つかもしれない。
結局カメリアに言いくるめられ、渋々オルテンシア城まで報告に行ったのだが。
オルテンシア城玉座の間で、王は耳を疑うようなことを口にした。
「褒美として、我が姫との結婚を許そう」とのたまったのだ。王の隣では、当の姫も目を丸くしている。おそらく寝耳に水だったのだろう。
「いえ、結構です」
「何故だ? そなたも王族の一員として――」
「結婚したい人がいるので」
ラウレルは当然、即刻辞退した。結婚したい相手はビオレッタただ一人で、姫じゃ無い。王はなぜ断られたのか理解できないようだったが。
その後も王から引き止められたり、長い宴に付き合わされたり。しかしラウレルとしては、報酬さえ受け取ればこんな場所に用はない。
さっさと報酬をもらってグリシナ村へ発ちたかったが、城ではなぜか報酬の手続きに時間がかかると言われてしまい、軟禁に近いような日々を送る羽目となる。
その足でグリシナ村の道具屋まで直行しようとしたラウレルは、カメリアに止められた。彼女は「一応、先にオルテンシア王への報告をしないと」などと言う。
「報告なんて必要か?」
王など、ただ玉座から『魔王を倒せ」とラウレルへ命じただけの男だ。報告などする必要性も感じない。ラウレルは散々ごねた。けれどカメリアは冷静だった。
「私は魔王討伐の報酬が欲しいの。報告しなきゃ貰えるものも貰えないでしょ?」
「俺は早くビオレッタさんに会いたい」
「それは報告が終わってからでも良いじゃないの。お金は結婚生活にも必要よ。さあ行くわよ」
(確かに……)
一理ある。結婚したら金は役に立つかもしれない。
結局カメリアに言いくるめられ、渋々オルテンシア城まで報告に行ったのだが。
オルテンシア城玉座の間で、王は耳を疑うようなことを口にした。
「褒美として、我が姫との結婚を許そう」とのたまったのだ。王の隣では、当の姫も目を丸くしている。おそらく寝耳に水だったのだろう。
「いえ、結構です」
「何故だ? そなたも王族の一員として――」
「結婚したい人がいるので」
ラウレルは当然、即刻辞退した。結婚したい相手はビオレッタただ一人で、姫じゃ無い。王はなぜ断られたのか理解できないようだったが。
その後も王から引き止められたり、長い宴に付き合わされたり。しかしラウレルとしては、報酬さえ受け取ればこんな場所に用はない。
さっさと報酬をもらってグリシナ村へ発ちたかったが、城ではなぜか報酬の手続きに時間がかかると言われてしまい、軟禁に近いような日々を送る羽目となる。