ただの道具屋の娘ですが、世界を救った勇者様と同居生活を始めます。~予知夢のお告げにより、勇者様から溺愛されています~
確執
翌朝。
ビオレッタは久々にすっきりとした目覚めを迎えた。
どのくらい寝ていたのだろうか。外はもう随分と明るい。
(え……私、昨日はいつ寝たかしら……?)
寝起きで朦朧とした頭を精一杯働かせてみる。
次第に、モヤモヤと記憶が蘇ってきた。
昨日はラウレルの仲間であるカメリアと出会い、カタラータ神殿でお茶をして、彼女に恋心を相談して……そこに怒りのラウレルが現れたのだ。
なんとか誤解を解き、彼の怒りを沈めたあとは、プルガの背中に乗って帰ったはず。そしてその背中の上で――
……思い出した途端、身体中から変な汗が噴き出してくる。
(そうだ……私、ラウレルと……!)
彼は今、どこにいるのだろう。プルガの背から降りた記憶は無いため、きっと彼がここまで運んでくれたに違いない。
ビオレッタは急いで身支度を整え、バタバタと一階に降りた。
すでに起きていたラウレルは、いつものように朝食を作ってくれている。
「おはようございます、ラウレル様」
「ビオレッタ、おはよう! もう起きても?」
彼は『ビオレッタ』と呼んだ。それだけのことで胸が跳ねる。
これまでとは違う、少しだけくだけた喋り方も、昨日のことが夢ではないことを証明するようだった。一気に顔が熱くなる。
「あの……昨日は、ありがとうございました。部屋まで運んでくださって。お、重かったでしょう」
「まさか。羽のように軽かったですよ」
ラウレルはいつも笑ってくれるけれど、今朝はひときわ機嫌が良かった。朝日に透ける金髪も相まって、輝く笑顔は発光している気さえする。
彼は「さあ」とビオレッタをテーブルまで促す。ビオレッタが遠慮がちに椅子に腰かけると、彼も一緒に朝食を取り始めた。
ビオレッタは久々にすっきりとした目覚めを迎えた。
どのくらい寝ていたのだろうか。外はもう随分と明るい。
(え……私、昨日はいつ寝たかしら……?)
寝起きで朦朧とした頭を精一杯働かせてみる。
次第に、モヤモヤと記憶が蘇ってきた。
昨日はラウレルの仲間であるカメリアと出会い、カタラータ神殿でお茶をして、彼女に恋心を相談して……そこに怒りのラウレルが現れたのだ。
なんとか誤解を解き、彼の怒りを沈めたあとは、プルガの背中に乗って帰ったはず。そしてその背中の上で――
……思い出した途端、身体中から変な汗が噴き出してくる。
(そうだ……私、ラウレルと……!)
彼は今、どこにいるのだろう。プルガの背から降りた記憶は無いため、きっと彼がここまで運んでくれたに違いない。
ビオレッタは急いで身支度を整え、バタバタと一階に降りた。
すでに起きていたラウレルは、いつものように朝食を作ってくれている。
「おはようございます、ラウレル様」
「ビオレッタ、おはよう! もう起きても?」
彼は『ビオレッタ』と呼んだ。それだけのことで胸が跳ねる。
これまでとは違う、少しだけくだけた喋り方も、昨日のことが夢ではないことを証明するようだった。一気に顔が熱くなる。
「あの……昨日は、ありがとうございました。部屋まで運んでくださって。お、重かったでしょう」
「まさか。羽のように軽かったですよ」
ラウレルはいつも笑ってくれるけれど、今朝はひときわ機嫌が良かった。朝日に透ける金髪も相まって、輝く笑顔は発光している気さえする。
彼は「さあ」とビオレッタをテーブルまで促す。ビオレッタが遠慮がちに椅子に腰かけると、彼も一緒に朝食を取り始めた。