【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 私までお腹が痛いのかと心配されたけど、違うんだ。

 ……ケーキも食べて、お祝いはしてもらったから……。

 あぁ、あの時の尾瀬君の顔が忘れられない。
 酷く傷ついた顔。
 
 傷つけた私が泣いてどうする、なんだけど……一人でメソメソしてしまった。
 
 尾瀬君、私の事がまだ好きってこと?
 自惚れ? とか色々考えてたらなんだか疲れ切っちゃって。
 でも全部私のせいだから、最悪な誕生日とかは思わない。

 そして、いつの間にか寝ちゃってた。

 変な時間に起きちゃったな……。
 みんな寝てるな。
 お母さんも太陽につきっきりで、多分一緒に寝てる。
 
「……お腹空いた……」

 サイテー。
 私はもっとサイテーで、コンビニに行った。

 寝て起きて、ぐしゃぐしゃな、ままで。

 人を傷つけて、それでも好きな人に会いたいとか……サイテー。

 でも違うの。
 ワンピース着ていった時とは違うんだもん。
 吸血鬼の笑顔は、私の心の救いなんだもん……。

「いらっしゃいませ~……」

 吸血鬼が私の顔見て、驚いた顔をしてた。
 23時かぁ……。
 まだ、今日なんだ。
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