【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

「あの、誕生日……だから、少しお話したいです」

「うん、いいよ~。何かあったんだね」

「あ、……はい……」

 きっと尾瀬君を傷つけたと思うんですけど、それっってただの自惚れかもしれないし……。
 でもでもずっとぐるぐるまわってしまって……自分が何を考えているのかもうわからなくなっちゃった。

 吸血鬼はジュースとコーヒーと肉まんと、ホイップクリームがいっぱい乗ったキャラメルプリンアラモードを選んで買ってくれた。
 私は、吸血鬼がレジでお金が払うのを見てる。
 尾瀬君と一緒にいたら、吸血鬼ボーナスが発生するんだろうか。
 こんな夢みたいな事が起きてるのに……嬉しいよ、嬉しいけど、ぼんやりしてる。

「食べながら、帰ろうか」

 レジ袋は吸血鬼が持ったまま。
 アツアツの肉まんは、手渡しで渡された。
 優しい。

「ありがとうございます」

「お誕生日おめでとう~って肉まんじゃ嬉しくないか」

「いえ、すごく嬉しいです」

 本当に嬉しい。
 あったかい。
 
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