【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

「詳しい話を聞いてないのに、一方的だったね……」

 沈黙した私に吸血鬼が言う。

「いえ……私、話をしてみようかと思います」

 メールの返事もしてない。
 そっちの方が残酷だよ。

 何が正解かわからない。
 だから話をするしかない。

「……あの、桜さんって……?」

 私は、それも気になって……口に出して聞いてみた。

 あぁでも、これは……ダメなやつかな……。
 



「僕の奥さんだよー」



「……おく……さん」



「うん。120年前に亡くなったけどね」


< 106 / 111 >

この作品をシェア

pagetop