【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 あ……彼は優しく微笑んだ。
 あぁ……。

 あぁ……。

「つ、月ちゃん」

「ご、ごめんなさい……」

 涙が一気に溢れてきちゃった……。

 私は家に着く前にボロボロ泣き出して、吸血鬼を慌てさせてしまった。

「大丈夫? 大丈夫?」

「はい……なんでも……なんでもないんです……色々考えてた事が……あの……」

「うんうん、きっと大丈夫だから、大丈夫だからね」

 うん、この涙がなんなのか、ショック半分、悩み半分。

 ボロボロ泣いて、ボロボロ泣いて、一応涙を止めて吸血鬼にお礼を言って、プリンとジュースの袋を持たされて私は家に入った。

 あぁ……あぁ……。
 あぁ……優しい彼の微笑みに、彼の桜さんへの愛情が溢れているのがわかった。

 それでも、それでも……そうだよね。
 好きな気持ちはコロコロ変えられない。

 わかるよ尾瀬君。

 私もそれでも。吸血鬼が好きだもの。

 誕生日がもうすぐ終わる。
 私は尾瀬君にメールしようとスマホを開いた。
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