【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
「美味しいです」
「良かった」
「あの……ごちろうさまです」
「押し付けただけだよ~。食べてくれてありがとう」
……こんな優しい言葉ってあるかな……。
吸血鬼はニコニコしてる。
「僕の家、あっちなんだけど。君は?」
「私の家もです」
「そうなんだ。もう夜中だしね。送っていくよ」
「えっ」
「狼男にはならないよ。僕、吸血鬼だから。大丈夫」
二人で笑って、吸血鬼の牙と私の八重歯が白く光った。
ザクザクと雪が積もった歩道を歩く。