【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

「そっか……」

「なんか……変な誤解をされちゃって」

「あぁ、そう人間ってすぐ誤解をするよね。なんでなんだろ? 思い込んじゃう人間って多いよ」

 すごくわかる、って感じで彼は言う。
 そっか……吸血鬼なんて相当に誤解をされて生きてきた存在なのかもしれない。

「もう、死にたいですよ」

 私は自分でもう一度口に出してみようと思った。
 
「吸血鬼なんてずっと死ねないんだよー」
 
 彼はすごく明るい声で言った。

 私が今はもう本気で死にたいって思ってないのを見抜かれたのかな。
 2回言ったら、なんだか、そんなに死にたくなくなってきた。
 だって、まだ彼と話していたいって思うから。
 
「吸血鬼は落ち込むことってないんですか?」
 
 ザクザクザクザク2人の雪音が暗くて静かな夜に響く。
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