【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 私は店内を歩き回る。
 普段は見ない調味料コーナー。
 あ、あった。
 私はワサビやショウガと間違えないように手にとって気付く。
 
「あ……これ、ニンニクだ」
 
 私は頭の中で、『235円がいって~ん……~~ぎゃああああああああああ』と彼が叫び苦しむ様子を考えてしまう。
 どうしよう。そんなのは嫌だ。
 他のスーパーに行こうかと考えたけど、スーパーはかなり遠いし私は悩んだ。

「……あの、すみません」

 彼は弁当を出し終えたところだった。
 
「はい! どうしました? 何かお探しですか?」

 うん、青白いけど爽やかな笑顔だ。
 
「あ……いえ、これ大丈夫ですか?」
 
「え? 賞味期限ですか?」
 
 私は思いきりニンニクと書かれたパッケージを彼に見せる。なるべく離れて。
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