【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
「これ! ニンニクなんですけど、大丈夫ですか? レジを……打つ時……」
自分で言い出した事なのに、なんだか馬鹿みたいだったかも!? って私は急に焦りだした。
恥ずかしい。
だって箱に入ってるしね? 平気に決まってるよね。
馬鹿かなこいつ、って思われたかな……。
私はチラッと吸血鬼を見る。
「あ……あぁ大丈夫です。気遣ってくださって、ありがとうございますー大丈夫です」
彼はあんまり青白くなくなって、ほんのり微笑んでくれた。
それから私はレジの合間に一言二言、吸血鬼と話すようになった。
『今日は寒いですね』とかその程度で近所のおばさんよりまだ遠かったけど。
平和な高校一年生の秋が過ぎた。
でも雪が降るクリスマスが近くなって、私はとても嫌な目にあった。
恋愛絡みのいざこざに巻き込まれてしまったのだ。