【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
「いらっしゃいませ~こんばんはー」
今日もアイスを買って、少しおしゃべりできたらいいなー! って思ってたけど……。
う……今日はいつも昼間働いている、主婦の人と一緒だ。
結婚指輪をしているから主婦だと思うし、人間換算した吸血鬼より年上だと思うんだけど。
綺麗で落ち着いてて、なんだか大人の魅力というか……。
若干、吸血鬼も嬉しそうに話している……ように見える……のは私の被害妄想だ。
そうに違いない。
実は、今このコンビニでは17時からのバイトを募集している。
私は、朝と夕方にコンビニに来る度に迷っている。
募集の張り紙を見るたびに心が動く。
夏の大冒険、コンビニでのバイト開始!!
するべきか、どうしようか。
毎日悩んで、張り紙がまだあるのを見て安心する。
ちなみに両親は反対。
もう受験の準備もしなくちゃいけないし、勉強を頑張りなさいって。
短期間で辞める事にもなったら迷惑だって……。
確かにコンビニの仕事は大変そう。
私に出来るかな? って思う。
でもでもでも、吸血鬼の隣で同じエプロンをして……。
レジのそっち側の世界に、吸血鬼と同じ世界に行ってみたいよ。