【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 このまま、私の夏休みに……吸血鬼がいてくれたら……いいのに。

 酷い子かな。

 そして夏休みになって、私はアイスを買いにコンビニに来る。

「今日もアイス?」

 吸血鬼いた!

「はい」

 愛する人に会いに来てるんですけどね、なんて馬鹿な事も思う。

「今日もずっと、ですか?」

「昨日の夜からだから、今日は夕方で終わりだよー」

「い、いくら吸血鬼でも、ここの店長さんひどくないですか?」

「それは、僕が望んでいることなんだよ。できるだけ働きたいって役に立ちたいって伝えてあるから……ありがとうね。僕は大丈夫なんだよ」

 あ……私、余計な事を……。
 またお客さんが来て、吸血鬼は行ってしまう。

 あぁもっと、もっとお話がしたいのに。
 どうしたら、もっとお話ができるの?

 こういうの、ダメだってわかってるけど……。
 絶対的な偶然を装って、私は吸血鬼があがる17時に店に来た。
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