【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
私達は話をしながら、店内の雑誌コーナーの前に移動した。
もう制服は着ていない、黒いTシャツなのに吸血鬼は雑誌を綺麗に整えている。
「決まったら、お休みもらえるな~」
や、やっぱり私、間違えたかな。
夏休みに、吸血鬼が地元へ帰っちゃったってその後は一緒に働けるのに――。
あぁ……わかんない。
でも、一気に焦りが……。
そして、吸血鬼は帰っちゃうんだ……。
「……ど、どこなんですか……? 地元……」
なんとか上手な質問ができた。
「北国のね、北海道だよ~」
「え!? 北海道!?」
びっくりした。
まさか、そんな北の大地の人だったなんて……。
果てしない大空の下で生きているイメージはなかったから。
「暑いの苦手でね~北海道行った事ある?」
吸血鬼は大量のお弁当やジュースなんかを紙袋にぶらさげて持っていた。
店長から貰ったのかな……。
「いえ……ないです」
「こっからじゃ、遠いもんね~」