【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
脳みそフル回転しろ! 自分!
繋がる会話をするの!
「あ~~~~でも私、北海道のちびバニちゃんのご当地キーホルダーが欲しいって思ったことありますよ」
「へー? チビバニチャン? そういうのあるんだ」
「そ、そうなんですよ。こんなんどうでしょうステッカーとか、純白の恋人とかも有名ですよね!」
や、やだぁ!
繋がる会話って思ったけど話しすぎ!?
私、キモいかもぉ……なんでこんな事ペラペラと……。
「そうなんだぁ、詳しいんだね? すごい。ご親戚が北海道だったりするの?」
なんで、そんな優しく喋るんだろう。
心がグニャンってなる。
もっともっと声が聞きたい。
「いや、あの……好きだなって思ってて……」
ぐ、偶然だけど大好きな漫画が北海道を舞台にしてたから……。
「そっか、好きなんだ。嬉しいよ」
へっ……。
「自分の地元を褒められるのは嬉しいね」
そ、そうですよね。そういうことですよね。
ですよね。
もう、もう!
心臓に悪い!
本当に少しの時間だった。
吸血鬼はじゃあって微笑んで帰っていって、私が店内にいる間に事務所から女の子が店長と出てきた。
『それじゃ明日からよろしくね』って女の子に言ってた。
あぁ、私は馬鹿だなー……。
そして吸血鬼は店に出なくなった。
地元に帰ったんだよね。