【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

「あ、わ、綿あめはいいかな」

 黒髪は吸血鬼と一緒。
 背は吸血鬼より低い。
 Tシャツは白だ。

「お腹へってないの?」

「あ……うん、あんまり」

 優しい気遣いは、吸血鬼にちょっと似てるかも。
 それより私の態度が酷いよね。

 ……みんなでワイワイ楽しめると思ってたのに。
 って苛立ちもあるけど、これってただの八つ当たりだ。

 楽しくしないと、ダメだよね。

 吸血鬼、今どこで何をしてるのですか。

 あぁ……あぁ、そう。

 勝手なみんなにイライラするのも、夏祭りにイライラするのも、全部これが理由。

 吸血鬼、なんでいないの?

 あなたがいないから、全然、夏が楽しくない。

 帰り道のコンビニにいてくれたら、それだけで良かったのに。
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