【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
「あっさりしたもの、探そうか? 屋台じゃ無理なら……コンビニで」
やだ、名前も知らない男の子に、こんなに気遣われて。
それなのに、愛想悪いし。
性格悪い子だよ、私。
「ごめんなさい……私は大丈夫だから、みんなと楽しんで」
「あぁ……まぁ邪魔者になるのも嫌だし」
……そうだよね。
だって、みんなペアだもん。
「……ごめんなさい……」
「謝ることないよ、もしかして具合悪い?」
「……えと……具合は悪くない」
「良かった。帰りたい? 帰るなら送るよ」
え? と思った。
今まで帰るのノリ悪い~しか言われなかったから、帰る選択をくれる人なんかいなかった。
思わず、前の男の子の顔を見た。
「どうする? でも、俺は射的だけはしたいなーって思う」
夜のお祭りの照明のせいだろうけど、彼の笑顔が輝いて見えた。