【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
「月ちゃんも、コンビニ行くの?」
「あ、はい」
二人でコンビニまでを歩く。
カランコロン、カランコロン、カランコロン。
嬉しい嬉しい下駄の音。
「あ、あの……どうして私の名前知っているんですか?」
「あ! ごめんね、本当に変質者だ。太陽君が店に来る度に『僕は太陽! お姉ちゃんは月子! 今度、月ちゃんって呼んでみて!』って言われてて……覚えてしまって」
太陽は弟だ。
そんな話をしていただなんて!
まさか弟はインフルエンザの時に、私の恋心に気付いた!? わけないか。
ハンバーグとお母さんが大好きな、まだまだ甘えん坊だもん。
だけど太陽、グッドジョブ!
グミを買ってってあげよう~~っと。
「変質者だなんて事ない! う、嬉しいです」
「よかった」
「あの、黒野さん」
「ん?」
吸血鬼の名前。
黒野さん。
下の名前はなんていうのかな?
私の苗字はさすがに知らないかな?