【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 !!
 私はバッと声の方を見た。
 吸血鬼……!!
 じゃない……。

「尾瀬君」

 なんか尾瀬君の声って吸血鬼に似てる?
 一瞬、吸血鬼かと思っちゃった。
 
「こんばんは」

 うん、ちょっと似てるかも。
 『いらっしゃいませ~』って言ってほしいかも。
 尾瀬君は今日はブレザーの下にブルーのセーター着てる。
 いい色。爽やかだなぁ。

「こんばんは。すごい偶然だね」

「あ~……実は俺の家もすぐ近く」

「え!? そうだったの!?」

 知らなかった……。
 え、でも近所って?
 尾瀬君……中学は違うよね。
 
「チラっとは話したんだけどね。高校入学と同時に引っ越してきたんだ」

「そっかぁー」

 そんな話をしてたんだ。
 全然知らなかった。
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