【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

「いらっしゃいませこんばんは~」
 
 吸血鬼はいつもの笑顔。
 それも何だか今日は痛い。

 冷たくなったほっぺたに、コンビニのあったかさが染みる。

 濡れた床を転ばないように、歩いて店内に入った。
 
 他に客もいない。
 こんな大雪だもんね。

 コンビニスイーツに惹かれそうになったけど、今日は違う。

 私はお酒が並ぶ冷蔵庫の前でしばらく考えていた。
 お酒を飲んでみようと思った。
 
 お酒を飲んで、『泥酔状態』ってのになって……。
 危険な思考がぐるぐる回る。
 
 雪解けのあとに、発見された無惨な私を妄想する。
 ……でも、そんなの全然、ざまぁにならないな……。
< 7 / 110 >

この作品をシェア

pagetop