【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
「いらっしゃいませこんばんは~」
吸血鬼はいつもの笑顔。
それも何だか今日は痛い。
冷たくなったほっぺたに、コンビニのあったかさが染みる。
濡れた床を転ばないように、歩いて店内に入った。
他に客もいない。
こんな大雪だもんね。
コンビニスイーツに惹かれそうになったけど、今日は違う。
私はお酒が並ぶ冷蔵庫の前でしばらく考えていた。
お酒を飲んでみようと思った。
お酒を飲んで、『泥酔状態』ってのになって……。
危険な思考がぐるぐる回る。
雪解けのあとに、発見された無惨な私を妄想する。
……でも、そんなの全然、ざまぁにならないな……。