【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
尾瀬君って、なんか変な人。
私はちょっとおかしくなっちゃった。
尾瀬君は、あの夏祭の告白なんかなかった事になってるみたい。
あれからそんな感じでもなく、フツーのお友達。
あれは真夏の夜の夢みたいな?
雰囲気で言っちゃったのかもしれない。
「あったかー、うまそ」
あー店の前で食べようとしてる? 私も食べちゃおーかな。
「月ちゃん。あっちにベンチあったから座ろう」
「あ、うん」
ちょっと肌寒いくらいが、焼き芋食べるにはいい感じ。
なんか自然にコンビニの近くにある小川のベンチに一緒に座っちゃってた。
「うん、うまい」
「だよねぇ」
「俺、焼き芋なんか……いつぶりだろ。食ったことあったかな」
「え? 好きなんじゃないの?」
「買うの初めてだ」
「そうなんだー必死で買ってくるから、相当好きなんだって思っちゃった」
あはは、と私が笑うと尾瀬君も笑ったけど、なんかジッと見てきた。
「え?」
「はぁ~……いや、まぁ今回で相当好きになったかな」