【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
弟は皮は全部剥がすけど、私は固くなければそのまま食べちゃう。
しあわせ、だけど……。
焼き芋はすごく美味しいけど、やっぱり私は少し寂しい。
でも焼き芋はすごく美味しい。
吸血鬼……どうしているのかな。
あー……ほうじ茶も買ってくればよかった。
心が焼き芋と吸血鬼とほうじ茶だ。
「あのさ、月ちゃん今月誕生日なんだって?」
あ、尾瀬君と一緒にいるんだった。
尾瀬君といると弟と一緒にいる時みたいに、存在忘れちゃうっていうか。
失礼なんだけど……不思議。
夏に出会ったばっかりで男の子なのにね。
えっと私の誕生日?
「うん。知ってたの? どうして?」
「いやあの、グループメールでさ! 今月の誕生日~誰~とかって話したから覚えてた」
確かにそういう話はした覚えがある。
誰かがお誕生日だと、お祝いしたりプレゼントあげたりするから。