【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 弟は皮は全部剥がすけど、私は固くなければそのまま食べちゃう。

 しあわせ、だけど……。
 焼き芋はすごく美味しいけど、やっぱり私は少し寂しい。
 でも焼き芋はすごく美味しい。
 吸血鬼……どうしているのかな。
 あー……ほうじ茶も買ってくればよかった。
 心が焼き芋と吸血鬼とほうじ茶だ。
 
「あのさ、月ちゃん今月誕生日なんだって?」

 あ、尾瀬君と一緒にいるんだった。
 尾瀬君といると弟と一緒にいる時みたいに、存在忘れちゃうっていうか。
 失礼なんだけど……不思議。
 夏に出会ったばっかりで男の子なのにね。
 えっと私の誕生日?

「うん。知ってたの? どうして?」
 
「いやあの、グループメールでさ! 今月の誕生日~誰~とかって話したから覚えてた」

 確かにそういう話はした覚えがある。
 誰かがお誕生日だと、お祝いしたりプレゼントあげたりするから。
< 72 / 110 >

この作品をシェア

pagetop