【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
 
「じゃあ、お邪魔したね。今度は二人で一緒に店においでよ~」

「俺等、今日は偶然ですよ。黒野さん」

「そっそうなんですー! たまたま偶然で!」

 尾瀬君、さっきからナイスアシスト!
 ありがとーー!!

「そっかぁ。ふふ、じゃあまたね」

「あ、あとでアイス買いに行くかもです!」

 吸血鬼は優しく微笑んで、手をふりふりしてコンビニへ向かった。
 あぁ……レイちゃん、いいな……これから一緒に働くんだ。
 レイちゃんにもお茶あげたりするのかな。

 吸血鬼が歩いて行くのを私はずっと見送った。
 近いのに、遠い……。

「月ちゃんってさ……」

「……え?」

 突然の声。
 あ、尾瀬君だ。
 また一瞬、彼の存在を忘れてしまってた。
< 79 / 110 >

この作品をシェア

pagetop