【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 吸血鬼がポテトチップスを前に出しながらこっちを見た気がした。

 でも私は『泥酔』したくって3%と書かれた桃のお酒の缶をレジに置く。

「……いらっしゃいませ……」

 吸血鬼の声が静かで、暗い、低い。
 お酒をスキャンする前に吸血鬼が言った。
 
「申し訳ごさいませんがお客様、未成年の方にお酒をお売りすることはできません」
 
「……未成年じゃないです……」
 
 ふてぶてしい態度で私は言った。
 警察呼ぶなら呼びな! みたいな、わけのわからない逆ギレの怒りもあった。

「いつも高校の制服着てるじゃないですか」
 
「だ……ダメならいいですよ」

 私は缶を持って冷蔵庫へ戻しに行った。
 あぁ、もう嫌になる。
 吸血鬼にまで絶対嫌われちゃった。
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