【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
尾瀬君も吸血鬼と仲良しみたいだし……。
帰宅して、すぐに貰ったほうじ茶を吸血鬼祭壇に置く。
祭壇っていうのは、好きな人のものを祀る場所!
勉強机の片隅ね。
バレたら嫌だから、カモフラージュして吸血鬼から貰ったキーホルダー。
純白の恋人の箱、そしてほうじ茶を置いた。
えへ……嬉しい。
それから私は、夕飯を食べてお風呂の前にアイスを買いに行こうと思った。
さっきの時間だけじゃあ少ないよ。吸血鬼不足。
光陰矢の如しって、小学校でも中学校でも、二人くらいその言葉が好きな先生がいた。
だから、今を大事にしなくちゃなんだよ。
何回だって会いたいんだもん。
好きな人にはね。
私はこの前、お父さんに買ってもらった秋服のワンピースを鏡の前で合わせた。
「……これはやりすぎ? ナポリタン、食べ過ぎたからお腹出て見えるかもだし……」
一人で私はブツブツ話す。
焼き芋にお母さん特製ナポリタン。
カロリーも矢の如しで過ぎ去ってくれないかな。
……でも、ワンピースを着る機会といったら、映画とかになっちゃうし……。
それなら誰よりも先に吸血鬼が見てほしい!
「ちょっと行ってくるねー!」